クワガタ♀成虫は、尾端付近に菌嚢(マイカンギア)と呼ばれる嚢状の器官を持ち、この中で大量の酵母を生育し、子孫のための共生微生物を蓄えています。
この器官はクワガタ♂には備わっておらず♀成虫特有のものとなり、カブトムシ・ハナムグリ等には♂♀とも菌嚢は存在しません。
クワガタ♀成虫の産卵時には、母体内に格納されている菌嚢を体外へ露出し、産みたての卵や周辺のオガに接触させることで共生酵母を子世代へ伝達します。
伝達された共生酵母から得られる微生物(バクテリア)には、子世代幼虫の消化吸収を補助する働きがあり、幼虫期間の成長・成熟に必要不可欠なものとなります。
(カブト幼虫の飼育下においても、クワガタ幼虫の食べかす(オガ)をマットに混合する手法は、酵母伝達を受けないカブト幼虫にも豊富なバクテリアを吸収させるうえで有効であるからと裏付けされます。)
母虫にのみ備わるその器官には、子供たちに対する”健康で強く、逞しく育ってほしい”というような愛情が感じられます。